歯ブラシのすべての部品が、単一のメーカーですべてつくられているわけではありません。柄や毛などは、それぞれの原料メーカーである程度加工された状態で、歯ブラシ製造メーカーに卸され、歯ブラシに製造されています。その後、製造された歯ブラシは、業者を通じて消費者の手元に届けられています。
製造工程のほとんどは機械化されていて、コンピュータも導入しているため、手作りの部分はとても減少しています。しかし、最後の製品検査だけは人間の目によって行われるのが一番確実だと考えられており、大手メーカーでも機械に頼れない作業となっています。
把柄部は、高分子科学などの発達により、ポリプロピレン樹脂やポリエステル樹脂を材料にして製造されています。成型は、合成樹脂ペレットに顔料や染料を加え、熱で軟らかくしてから精密な金型に圧入して行います。一度に10~20本のつながった柄がつくられ、その1本1本を切り離し、磨きをかけて仕上げています。
植毛方法には、コンピュータ制御された植毛機を導入し、柄、ナイロン毛、柄に毛を止めるために使われる平線をセットして、それぞれが排出されると、自動的に毛が植え込まれる方法と、穴を開けずにヒーターの熱によって柄と毛束が一体になるように考案された方法があります。毛は、毛切り機で長さを一定に切りそろえられ、毛先は毛先丸め機を使い処理が行われています。毛先を丸めることは、口腔軟組織への安全性を高めるために欠かすことができない重要な作業です。方法としては、サンドペーパーのようなコーンと呼ばれるヤスリを使い毛先が丸くなるようにこすることが大きようです。毛先が球状であったり、極細毛のものは、毛先の処理を行ってから植毛されています。
できあがった歯ブラシは、人間がチェックをし、毛うす、平線不良、毛が不ぞろいではないか、汚れがあるかなど、約12種類の項目を検査し不良品を除外しています。チェックを通過した歯ブラシは、商標などが刻印されてから放送されます。包装は、自動包装機で1本ずつカートン包装されることが多く、ブリスター包装などがほどこされて完成です。
歯ブラシの製造工程
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