歯ブラシは我々の日常生活の一コマである歯磨きを支える道具であり、延いては我々の健康を守っています。それにもかかわらず、歯ブラシに関する知識はそれほど持ち合わせていない人も多いのが実情です。例えばスーパーを訪れて歯ブラシを購入しようとすると、沢山の商品が置かれていることに気付きます。その中から自分に合った歯ブラシを選択するのは簡単な事ではないはずです。特に電動歯ブラシ等が置かれている場合、使い方や効果の違いまで含めて比較検討できる人は稀でしょう。最近は口腔の健康が全身の健康と関係していることが人口に膾炙し、歯ブラシに対する関心が高まってきましたが、それでも時間を割いてまで歯ブラシについて学ぼうとする気にはならないものです。それは理解できるのですが、筆者としては少しでも歯ブラシに興味を持ってほしいところです。歯ブラシには長い歴史があり、沢山の種類があり、製造工程があります。歯ブラシについて詳しくなれば、より健全な歯にすることが出来るはずです。そして健全な歯はあなたの長寿に繋がることでしょう。そもそも歯ブラシとは、一体どのような道具であると定義できるのでしょうか。実は歯ブラシという呼称はそれほど歴史のある言葉ではなく、日本では元々歯磨楊枝と呼ばれていました。この歯磨楊枝は現在の歯ブラシとは形状、造りが異なっていました。そして歯ブラシが普及してからは、「手で歯を清潔に保つための道具」といったイメージが定着しました。歯ブラシを正確に定義するならば、「口腔清掃用具」「植毛部、頸部、柄部から構成されている」等の説明が妥当でしょう。植毛部は無数の繊維から成っており、その繊維で歯に付いた汚れをかき取ります。歯ブラシの形状、設計は大変優れており、それを用いて簡単に歯を磨くことが出来ます。