高齢者が抱える口腔のトラブルは、噛む力が弱くなることからはじまるという専門家たちもいるようです。「噛む」力が弱くなることで、唾液の分泌が減少することがまず第一に注目すべき事柄かもしれません。唾液は、皆さんのお口の口内環境を整える働きをもった強い味方です。唾液の殺菌作用をもつ働きが、お口の中の雑菌の増殖を食い止め、大きな口腔トラブルを未然に防いでくれているのです。筋肉量の低下や入れ歯、歯の損失などから、どうしても高齢者は「噛む」力が弱まってしまいます。以前であれば、食事の際にはよく噛んで飲み込んでいたはずなのに、入れ歯合わない、歯がないなどの理由から高齢者は咀嚼の力が弱まっているケースが多いようです。年齢とともに落ち込む認知力の低下も噛む力を弱らせている原因の1つであるとも言われています。年末年始になると必ずといって良いほどニュースになるお餅で喉を詰まらせてしまう高齢者にも、噛む力の低下が原因として考えられています。「咀嚼」の力が低下しているお年寄りには、咀嚼の低下に合わせるように、食べ物を事前に小さく切って噛みやすいように提供することも大切です。食べ物を小さくすることで、噛む力が弱いお年寄りにも簡単に咀嚼できるような工夫がポイントとなってくるようです。